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2013年2月28日 (木)

無謀な文系出身者の挑戦!

デジタルの世界をつかさどっているのは “クロック様” である!

平たく言えば時計です。

カーナビで現在位置をリアルタイムに表示できるのも、複数のGPS衛星が発するクロック信号を受信して、車とその複数のGPS衛星の相対的位置関係から生じるほんのわずかなクロック値の差から、座標情報を得てるんですね。その為には最低でも2つ(3つだったかも)のGPS信号を、さらに精度を上げるためには3つ(4つだったかな)からの信号を受信する必要があります。一つは基準となるクロック値を得るためです。しかし日本の真上を飛ぶGPS衛星は時間的にも限られており、都市部や山間部での受信難を克服するために、二年前に実証実験ためのGPS衛星を日本独自に打ち上げたばかりです...



全くオーディオと関係ない!
ということでもなく、実際にGPS衛星の信号をオーディオ用のクロックとして使ってやろうという製品もあったかと記憶してます。
(それほどに精度の高いクロック信号なんですよ)


しかもPCオーディオとなると、このクロックの問題はさらに重要です。
パソコン自体がクロックに依って全てのデジタルデータをやりとり・処理しています。同時に、クロックに依る同期を阻害するような要因に満ちているのもパソコンです。スイッチ電源、ブンブン回る空冷ファン、データの通り道であるDATA BUSの上を1000MHz以上のクロック値に同期されたデータが、あっちに行ったり、こっちに来たり。
もうあっちでこっちで、ノイズ、電磁波のお祭り騒ぎ!(@Д@;
おかげでCPU自体が電流リークの問題なんかもあったりして、演算エラーを起こすなんてのは当たり前で、その演算エラーをあらかじめ予測して備えるアルゴリズムも組み込まれてます。(そうでしたよね?)



そして、アナログ信号をデジタルデータにしたり(量子化とかデジタイズと言います)、その逆の作業にもクロックは欠くに欠かせぬ重要な要素です。
高精度なDACになると、楽曲データのサンプリング周波数に合わせて、使用するクロックを切り替える周到さ!
しかしどんな高精度なクロックも、商用電源の上で動かすのであれば、やはりノイズからの悪影響を考慮しないわけにはいきません。
ですから高性能を謳うDACは、同時に電源部の優秀さのアピールを忘れないのです。



さぁ、ここまでは前振りね。



PCオーディオでは、楽曲データはHDDやSSDなどのストレージ上に保存されています。
しかし、そこに保存されているデジタルデータを、そのままDACに突っ込むことはできません。必ずパルス符号変調(PCM:Pulse Code Modulation)」に変換してやらねばなりません。
USBから送出されるデータは、この
PCMなのです。
WAVEにしてもAIFFにしても、それが可逆圧縮のFLACであれALACであれ、不可逆圧縮されたMPEGであれAACであれ、それはPCMをそれぞれのファイル文法によって、あるものは可逆圧縮を加えられ(FLAC、ALAC)あるものは不可逆圧縮を加えられ(MPEG、AAC)、またあるものは圧縮せずに(WAVE、AIFF)、ストレージに格納するために書き換えられたものにすぎないのです。
そう、音声には関係ないの。ファイルフォーマットは全くパソコンの都合なのね。


それらを、例えばiTunesであれば指定ファイルをQuickTimeモジュールに送り、リアルタイムにCPUで演算処理(デコード処理)させPCMに変換、USB Controll Chipに送出し、USB Cableへと流れていくことになります。(あってます?)
しかし、リアルタイムにデコード処理させることはCPUの占有率上昇やBUS上をデータが移動することに依るノイズの発生の原因にもなり得ます。
なので、あらかじめファイルをPCMにデコードしてRAM上に展開し、後は送出するだけという機能を持ったプレイヤーもあります。(私が使ってるPure MusicやAudirvana Plus、BitPerfectはその類のアプリです)



以上、前振り第二弾ね。



では、コレをご覧ください。


Pcm


16bit/44.1KHzという一般的なPCM(正確にはリニアPCM)を私なりに図式化してみました。
44.1KHzのサンプリング・レートと言うことは、1/44,100秒、つまり
0.00002267573秒毎に一つのデータを持つ、ということです。(横軸で表してます)
そのたった0.00002267573秒という時間に16bitで示されるデータを詰め込んでます。
その16bitデータ示されるものとは、0.00002267573秒という極小の時間上の、65536階調の中の一点です。(縦軸で表してます)



さて、その16bitのデータですが、16個の矩形波(図ではしきい値【例えば0V】より+の電荷であれば1を、マイナスの電荷であれば0を表現しています)によって構成されており、それぞれが「1」か「0」の任意の意味を持ちます。
その16個の組み合わせが65536通り(2の16乗)あるというのが、16bitの意味です。(ビット深度などとも言われるゆえんです)
画にすると、そんなに組み合わせ数があるように思えないくらい、至極単純なただの矩形波の連続です。
そして一つの矩形波が占める時間長は約0.00000141723秒という、頭の中で想像できようはずもない短さです。(これが24bitなら16,777,216階調、1bit長が0.00000094482秒、24bit/96KHzなら1bit長が0.00000043402秒とか)
この波形長は、理想的には絶対でなければなりません!
これが「パルス符号変調(PCM)」と呼ばれるものです。


さぁ、ここまでで前振り第三弾!
やっと本題ですわ(;´▽`A``




この図をご覧ください。


Jitter


PCMの理想的な信号は「矩形波」であるべきですが、そんなもん存在しません!
この宇宙に真円が存在しないのと同じように、純然たる「矩形波」はありません。
かならず「立ち上がり」「立ち下がり」で電圧の傾斜が発生してます。
この傾斜のどこの部分で、このビットを「1」と判断させるか「0」と判断させるか、なんていうとっても小難しい話もあるのですが、そんなもんは棚に上げて先に進みましょう。(それでも知りたい人は、後述するリンク先を参照して下さい)



この矩形波を形成する「立ち上がり」「立ち下がり」の位置が、時間軸方向にぶれてしまう(揺らいでしまう)ことを「ジッター:Jitter」と言います
理想としては絶対であるべき波形長が、変化してしまうのです。
要因は、先に挙げたパソコン内の電気的ノイズ、電磁波、パソコン外部の電磁波、DAC本体の電源ノイズや電磁波等々、いちいち挙げていったらキリがない。
しかもUSBのオーディオ転送モードは「アイソクロナス転送」といって、連続的周期的なデータを転送を行うだけで、再送がないため確実性は保証されていません(蛇足ですが、これがNASだとLAN上でタグの付いたパケット送信なので、送信されるデータの確実性が補償される訳です)
結論を言ってしまえば、パソコンのUSBから送出されるデータに付加された時間軸情報(とどのつまり波形長)はアテにならんのですわ(;´д`)トホホ…


ですので、PCからのUSB出力データに時間軸方向の揺らぎが発生して矩形波の波長に狂いが生じていても、それを時間軸情報として(クロックとして)扱うようなUSB-DACだと、どうやっても「あれ?」っと思うような音しか出してくれないということになるんです(よね?)


ところが、例えばFOSTEX HP-A8のように高精度TCXOクロックによるアシンクロナス・モード(非同期モード)を採用しているDACですと、USBで流入してくるデータの波形長なんかアテにせず、内部の高精度クロックによって矩形波の波長を整えてから、D/A変換にデータを移すので、細部まで明瞭な音の再生が可能になるわけです(よね?)
(HP-A8へ供給される電源がクリーンであればこそ、その性能はなおいっそう発揮されます by 私の体感)



例えを一つ考えてみました。
縦一列に並んだたくさんの人を想像してみて下さい。
縦一列に並ぶだけなら、前の人に習って後ろに立てばいいだけですから、真っ直ぐなラインにはなるでしょう。
でも前の人とすぐ後ろ人、またその後ろの人との「間隔」はどうでしょう?
PCのUSBから送出されるPCMは、いわば小学生の「大きく前ならえ」。
身体の大きさにばらつきのある分、等間隔になりません。

それに比して、時間軸に揺らぎのないPCMは「日体大の団体行動に見られるような前ならえ」。
厳しい訓練
(高精度クロックによる波長の叩き直し)を経て、何があってもいつも同じ間隔で並ぶようになっています。
実際に体験しています。(団体行動をではないですよ)


我が家のHeadRoom Ultra Desktop DAC君は、確かにUltraと銘打たれているだけあってとても優秀で大好きなDACなのですが、こいつのUSB入力だけは全くいただけません
まるで霧の中で車を運転しているような、そんなイメージの音しか出しません。
ところがHP-A8から送出させたS/PDIF(Sony Philips Digital InterFace、エスピーディーアイエフ)を光なり同軸なりで突っ込んでやると、まるで大晴天の下で運転しているかのような音に変わります。
これは偏(ひとえ)にFOSTEX HP-A8のリ・クロック(パソコンから付加されてきた時間軸情報を無視し、高性能な内蔵クロックで、元はこうであったであろうと思われる矩形波を生成している、ってことでしょ?)性能の高さに依るものです。
これをDigital to Digital Conversion、またはそういった機能に特化した機器をDigital to Digital Converter、縮めてDDCと言うわけです
主にUSB(中にはFireWire)で入力されたPCM信号を、Coaxial等でS/PDIF信号としたり、さらにはAES/EBUというプロ用デジタル伝送用の出力できるものもあります。
いずれにしても入力、出力共にデジタル信号であるので(しかし信号の規格は別物)Digital to Digital Converter、つまりはDDC(D/D Converterと表記されることも)と称するのです。
高性能な物になると内蔵高精度クロックだけでは飽き足らず、外部に高精度クロックを用意して、そのクロック情報を入力できるものもあります。
主にスタジオ録音機材に見られるもので、全ての機材を同一のクロックで統一することで、システム全体でジッターの発生を抑制するのが目的です。

ね!“クロック様” は全てをつかさどってらっしゃるでしょう?



こんなとこでどうでしょうか、mic92さん!


詳しくはこちらの記事も参照して下さい。


野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ コラム:PCオーディオ基礎知識ー「USB Audio Class」とは


デジタルオーディオの基礎から応用(5):誤解していませんか!? クロックジッターの「真実」を解説



オイラ、経営学部出身なんすけど。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

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コメント

こんばんは!
あっ。いや。
おはようございます!!

わざわざ詳しい解説の記事、ありがとうございます!!
大変に分かりやすい説明でした!
大体は理解出来たと思います。
(本当なのかな?)


>(それほどに精度の高いクロック信号なんですよ)

精度の高いクロックといえば、マスタークロックなる機器も販売されていますよね。
使用できる機器は限られているようですが。

>PCからのUSB出力データに時間軸方向の揺らぎが発生して矩形波の波長に狂いが生じていても、それを時間軸情報として(クロックとして)扱うようなUSB-DACだと、どうやっても「あれ?」っと思うような音しか出してくれないということになるんです

ここんとこHP-P1はどうなんでしょうね?
ジッター対策はキチンとなされたいるのでしょうか。
私が聴いた限りでは問題なさそうですが(笑)

今のところ、音楽を聞く環境はiPodからHP-P1というものですので、ジッター、精度の高いクロック、電源ノイズなどはあまり問題になりません。

ただ、将来はPCからHP-A8もしくはDA-200、そしてP-1uという環境を目指しています!!
まずはEdition8!
あのヘッドホンを目指して頑張っています!

mic92さまmおはようございますl
多少なりともお役に立てたようで、何よりです!
私としても、一度、頭の中を整理する意味で「ブログに書きたいな」と思いつつ、重い腹と腰が動かなかった、という経緯があります。そこにmmic92さんからお題をいただき、これをチャンスとまとめてみました。
とは言え、こういう技術的なことは門外漢故、間違っているところもあるかも知れません。とは言え、私のような非技術系の人間がこのようなモノを書くこと自体に、私やこのブログを見て下さっている方々にも意味があるかなと思っています。
コレを書いたことで少々欲が出まして、今度はA/D変換、D/A変換について書いてみようかなと思ってます。その道に長けた会社に勤めていたことがあるので、全くの門外漢というわけでもないんですよ。営業でしたけどw


HP-P1においてもジッター対策は取られていると思います。
ArgoRythm SoloのデジタルアウトとiBasso D12 Hjを使って聴き比べてみた事があるのですが、私の耳には明らかにHP-P1の方が好ましく思われました。本当に多少の差でしたけど。
とは言え、そこはやはりポータブル。
同じようにHP-A8の同軸出力をiBasso DB2に入力して聴いてみたのですが、聴いたことのない美しい音空間を体験できました。
どだい据置とポータブルを比べることが無茶なんですが(^-^;


私のポータブル環境におけるジッター対策としては、プレイヤーソフトで対応しています。(USBアイソレーターは飽きた)
デフォの「ミュージック」にAIFFを入れて聴いていましたが、これはリアルタイムにCPUでPCMにデコードさせながら送出させています。DAPにノイズを発生させながら、データを送出させているようなものです(そこまで拘ることもないとはないとは、自分でもおもうのですが。性ですかねぇ)
今は音源をFLACに変換し、再生アプリはFLAC Playerを使っています。こいつは再生前に音源をデコード、RAM上にPCMデータを展開させ、送出する(再生中はほとんどCPUに仕事をさせない)仕様になっているようです。同時に再生専用のiPhoneを用意し、FLAC Player以外の削除できるアプリは全て削除。通信関係の機能は全停止。Safariさえ機能させないようにしています。
そうやって再生させた音は、デフォのアプリの音から一皮も二皮も皮が剥けた音です。
またデフォのアプリでは入れることさえできない24bit/96KHzの音源も入れることができます。もちろん送出されるときには16bit/48KHz以下になっているんですが、それでもハイレゾならではの音質の高さを感じるから不思議です。
また決定的に重要なのは、音源品質だと思っています。
過去の更新でも書きましたが、DL購入したハイレゾ音源は別として、CDからのリッピング品質はとても重要だと痛感しました。


Edition8を狙いますか!
コイツ、相当に懐の深いヘッドフォンですよ。
その分、鳴り切らすと、まぁ面白い面白い!ここまで鳴ってくれますか!と驚いてしまいます。
開発コンセプトがポータブル用途のため、ハウジングは当然密閉式ですし、遮音性は手持ちのRooth LS8以上です。(その分、側圧は高め)
その為でしょう、音場はどうしても狭めです。
ですので私はもっぱら外でしか使いません。お家ではTH900!これまた懐がとてつもなく深い上に、音場も広く、定位感にも優れています。密閉式なのに音漏れもそれなりにあるので、お外には連れ歩きませんが(と言いつつ、これを頭につけて日本橋界隈やeイヤに行って、笑いを取ろうとしたことがある。笑ってもらえず落ち込んだ(つд⊂)エーン)


という訳で、PCオーディオなんぞに足を突っ込むと、とんでもない世界が待っていますぞい!ψ(`∇´)ψ

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