グラウンド分離
我が家には、買われてこの方、1回しか使われていないとても不幸な工具があります。
Terra-Berry DAC2(WP-DAC4490)をケースに押し込むときに利用したきりで、工具箱の中に放り込まれたまま。
この二つで6千円以上もしたというのに!
(そもそもPA-09だけで間に合ってたし...)
そこで、こういう不遇をかこっている工具にとって、うってつけの実験を考えつきました!
という訳で、我が家にQIコネクターに使うコンタクトピンやハウジングが届いたのです。
送料込みでジャスト千円!
ネコポス使ってくれる共立エレショップさん、グッジョブです!
で、さすがは専用工具、食いつき完璧!
(結局、またPA-09しか使わなかった...)
まだテスト段階なので、電源ケーブル以外はコンタクトピンをハウジングに収めてません。
で、何のテストをしたかというと...
コレ、SabreBerry32をRPi3に接続した図です。
黄色がI2SのData (Pin#40)。
橙色がLRCLK (Pin#35) で、桃色がBCK (Pin#12) 。
マスターモードで駆動するSabreBerry32は、これら以外にI2Cも使っています。
それが水色 (Pin#5)と紫色 (Pin#4) 。
濃い青色がGND (Pin#39)です。
これだけ繋がっていれば、一応は動きます。
(SabreBerry32の基板を観察すると分かるのだけど、GNDラインが基板上で入念に這わされてます。そうしたGND回しに、GPIOのGNDも使われているのでしょうか。だとすれば、こうした39番ピンだけにGNDを落とすのは、開発者が想定していないイレギュラーな使い方と言えます)
RPi2/3のGPIOには、計8ヵ所のGNDがあります。
それら全てがSabreBerry32のGNDに繋がっています。
で、私の疑問は、RPi3とは別給電にしているSabreBerry32のGNDを、RPi3のGNDに接続させるのは必須なのか?です!
なので、濃い青色のラインだけ外してみました。
動きます。
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そもそも、何でこんなことをしてみようと考えたのか?
私が愛用しているTerra-Berry DAC2では、DACカードとRPiへの給電を分ける場合、GNDも分離される設計になっています。
RPiによってGND電位が揺らされるのを嫌ってのことかと思います。
ならば、同じくRPiとは別電源で動かしているSabreBerry32でも、GND分離はできるのだろうか?
GND電位が揺らされるような悪影響を排除できるのだろうか?
と、考えてしまったのですよw
そして、その時の「音」も気になりました。
(Terra-Berry DAC2では、音質向上を狙ってGND分離になってます。なので、そもそものGNDの這わせ方が、GND分離ありきで考えられていると思われます)
結果、動くことは分かりました。
音も、私の耳では何の問題もないように感じられました。
若干変化します。
(音源によっては、トライアングルのような音や低域の響き方に変化を感じやすかったような...)
しかし、ブラインドテストされたら、私には違いに気づけないと思われる程度の変化です。
(コンタクトピンの抜き差しによるスパシーボ、じゃねぇ、プラシーボ効果なんじゃないかとも思える程度)
その変化を劣化ととるか、良くなったととるか、気に入らないと感じるか感じないかは、ユーザー次第。
私は、十分にアリだと思いましたし、私には好ましい変化に思われました。
そして同時に思いました。
たかじんさん、GNDへの対策も抜かりない!
(以上の内容は、同様の行為を人に勧めるものではありません。あくまで私の好奇心で行った、イレギュラーな使い方です)
さて、ココまで確認できれば、次の作業に取りかかれます。
追記(11/24):
SabreBerry32とRPi間で、GNDの接続は必要のようです。
GNDが接続されていないと、スロー再生や倍速再生のような現象や、起動時にSabreBerry32がOSから認識されない現象が多発しました。
GNDを繋いだ状態だと、起動時にSabreBerry32が認識されない現象は起きません。
よって、このエントリーに書いてあるような、GNDを絶った状態でのSabreBerry32の運用は、全くオススメできないことが分かりました。
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番外編...
実はmsBerryDACでも試してしまったw
SabreBerry32でやったのと同じ結線では、決して動きません!
msBerryDACも、5VをRPiから分離して外部給電にできます。
同時にmsBerryDACは、RPiからの3.3Vも使っています。
(今回、初めてしげしげと回路図を眺めましたw)
なのでGPIOの1番か17番を結線し(回路は両方)、必ずGNDも繋ぐ必要があります。
GNDをRPiと繋がなくても動きますが、音に盛大にサーノイズが載りますw
よい子はGPIOピンに直差ししましょう!
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ジャイアンさん、こんにちは。
私の工具箱にも数回しか使ってない圧着ペンチがあります!
面白い実験ですね。その行動力に脱帽です。
GND電位の揺れは読み取りタイミングの揺れにつながるようで、デジタル処理の大敵のようですね。
ところで、I2Sのケーブルは太さ(?)など気にしたほうが良いのでしょうか?
ラズパイからDACまで約7cmを電子工作用のケーブルで接続しているのですが、圧着時に電線部分が細くてスカスカというか、圧着具合が心許ない感じがしまして、いまでも時々気になっています(笑
投稿: パパリウス | 2017年11月23日 (木) 20時08分
> パパリウスさん
こんな話題でコメントをいただけるとは、完全想定外!コメント、ありがとうございます!おだてられると木を登るタイプなもんで、スイマセン^_^;
実はこの実験、パパリウスさんの掲示板で交わされていたとある情報から派生して「先ずは確かめてみよう」とやったものなんです。想定していた結果で、ホッとしています。種明かしは後日ですw
I2S用ケーブルは、特に気を使ってません。特にこの実験では。束で数百円のモノで、長さもとりあえず10cmでやってます。
とか書きながら、ホンチャンはBeldenのケーブルなんですが、それも単に取り回し性の良さと被膜の耐熱温度の高さで選びました。長さ5cmです。I2Sの信号は長く引き回してはいけないと、その昔、何かで読んだ記憶があったので、可能な限り短くしてみました。気をつけたのは、その点だけです。
Terra-Berry DAC2では、電源をRPiとDACで共有しても、GNDは共有になりません。それだけDAC上での仮想GND電位の品質を大切にしているのかもしれません。AK4137とAK4490の間で、PCMなら最高768KH/32bit、DSDでは11.2MHzまでアップコンバートした信号を流してますから、さもありなん、なのかも知れませんね。
投稿: ジャイアン | 2017年11月23日 (木) 21時21分
こんにちは!不幸な工具の話題なので参入しました。
こちらの工具PA-09を、ジャイアンさんのコメントを参考にさせてもらって購入しています。でもまだ使用されていないので、更に不幸な状態でもあります。
使用する計画は有るのですが・・・。素材と工具が揃って、何時でもできると思うと安心して放置する、悪い病気も有ります。
今回の内容に質問ですが、以前 I2Sの引き出しは10cmが限界とどこかで見た記憶が有るのですが、今回試されたケーブル長は偶然でしょうか、それとも必然ですか?
投稿: ta_syumi | 2017年11月24日 (金) 11時26分
> ta_syumiさん
いつもコメントをありがとうございます!ta_syumiさんなら必ず食い付いて下さると思って、お待ちしておりましたw
私には「長い引き回しは禁物」と何かで読んだぐらいの知識しかありませんでした。ですので10cmにしたのは、ただの偶然です。
PhileWebでよくRaspberry Pi関連の記事を書く海上忍さんが、こんな記事を書いてらっしゃいます。
https://www.phileweb.com/review/article/201508/19/1756_3.html
記事の写真で見る限り、20cm以上は使ってますね。受け側がDDFAで、加えてジッターに強い仕様だからでしょうか。この記事だとGNDは繋いでるんだよなぁ...
ちなみに、私は本番では5cmのケーブルを使い、超本番ではケーブルさえ使っていませんw
投稿: ジャイアン | 2017年11月24日 (金) 21時37分