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2019年7月27日 (土)

フィルター(後編)

前編からの続きです。

 

前編で述べたような問題意識を持ったジャイアンは(本当は「もたされた」んですけどね)、具体的な対策に走りました。
(これも具体的なブツを提示されただけなんですけど)

 

こんなことした奴、他にはいないと思います。
ヒトバシラーな私だからこそやっちゃった実験的試み。

 

しかしこれがけっこうな効果をもたらしてくれたのです。

 

 

 

教えていただいたブツは、コレです。

 

 

11-noisefilter_01

 

秋月電子通商で「ラインノイズフィルター」として売られているブツで、一般的には「コモンモードチョークコイル」と呼ばれるものです。

 

この製品を知るところとなって、はじめてコモンモードとかディファレンシャル(ノーマル)モードという概念を知りました。
なんでも調べてみるものですね。
(おかげで、あれほど苦手としていたコイルについて、ごくごく基本的なことはなんとか理解できるようになったんじゃないかな)

 

なぜこの製品を敢えて使ったか(敢えて紹介されたのか)というと、そのインダクタンスの高さが理由です。

 

この製品、インダクタンスが5.8mH以上あります。
それに対して、同じ秋月電子通商で見つけられるチョークコイルは、値の大きなものでも350µHです。
桁が1つ違う!
それだけより強力に、より幅広く、リップルの流入を防ぐフィルターとして働いてくれるのです。

 

またDC-Arrowには、8200µFもしくは4700µF x 2の平滑用コンデンサを載せる仕様になっています。
こうした大容量コンデンサと抱き合わせることで、このコモンモードチョークコイルはフィルターとしてより効果的に仕事をしてくれます。

 

では、具体的にどうしたのかを見ていただきましょう。

 

ハイ、ドン!

 

12-noisefilter_02

 

回路図で示すと、こうしちゃったわけです...

 

13-dcarrow-dcinput-circuit

 

もう「たかじんさんに謝れ!」というぐらい、いかな実験とは言え傍若無人な行為なのであります。
実際に基板に載せてみると、コモンモードチョークコイルの存在感がハンパないッス。
それなりに重量感もありますしね。

 

このDC-Arrowを、別角度から見ていくと...

 

14-noisefilter_03

15-noisefilter_04

16-noisefilter_05 

 

 

これらは新たに作った二枚の内の1つで、コスト的には送料込みで@2750円程度です。
揃えられるものは全て秋月電子通商で揃えましたから、だいぶお安く作ることができました。
(そもそもトライダルトランスが含まれてないことも大きい)

 

何をやったかというと、ショットバリアキーダイオードを載せるべき部分に、コモンモードチョークコイルを載せただけです。
多少無理はしていますが、基板に空いてるスルーホールにサクッと4つの足が入ってくれました。

ただし...

 

17-noisefilter_06

 

ターミナルブロックとの干渉は避けられず、若干出っ張っている部分を削りました。
それでもこのように窮屈そうな実装になっています。

 

また上の写真で言えば、基板右下の穴は基板固定用に使えません。

 

我が家には他にも4枚のDC-Arrowがあるのですが、それら全てのSBDをコモンモードチョークコイルに置き換えました。
だから全部で6枚ですね。
もう背水の陣です。
(一応SBDも3枚分は用意しておいた...)

 

見よ、この曲芸乗りのような基板の固定を!

 

18-noisefilter_07

 

ACインレットや内部に見えるトライダルトランス、ヒューズホルダーがむなしい...
救いは、トライダルトランスがいい意味で重石になってくれることです。
とても安定してくれて、イイ仕事してます😵

 

右側は...

 

19-noisefilter_08

 

I2Sカード用の5Vです。

 

左側は...

 

20-noisefilter_09

 

こちらもI2Sカード(具体的にはmsBerryDAC or Digi+ Pro)用の3.3V給電用です。
5.1Vのツェナーダイオードを使っています。
(デフォは6.8V)

 

これらを使って、NAS用ラズパイとsymphonic-mpdを走らせている2台、合計3台のラズパイへの給電、2枚のI2Sカードへの三系統の給電などをさせています。
要は「全て」なんですが、全てをいっぺんに変えてしまったので、どこがどのように音に影響を与えたかは確認できてません。

 

問題はその音です!

 

あくまでも私の聴感上の感想です。

 

我が家のあり合わせジャンク据置システムでありながら、背景の黒い音が出るようになりました。
今までノイズに埋もれていた音が、スッと出てきます。
例えば、ピアノの広い音域をほぼ鳴らせるようになったのではないかと(本当に下の方は物理的に無理ですが)思います。
ちょっとビックリしたのですが、ピアノの鍵盤を叩いて音が出るじゃないですか。
そして「アァ、ここまで鍵盤を押さえたままだったんだな」って感じで、打鍵後の音が減衰しながらホントに低レベルになっても、チャンと最後まで聴き取れるようになりました。
今まではノイズに埋もれて、早々に音が聞こえなくなっていたんですね。

 

よく引き合いに出されるWaltz For Debby(ハイレゾ版)ですが、背景の歓談の声や音が、良い感じにお店の雰囲気を醸し出すようになりました。
これもやはり今までは、そのほとんどがノイズに埋もれて、スピーカーだと一部しか聞こえてなかったんですね。
特に演奏中はダメダメでした。
それが、お店の雰囲気として再現されている。
今までの再生を思うと、これは大変な驚きです。

 

源の差がアリアリと分かるようにもなりました。
この音源はウルサイとか、これはかなり手間暇かけた録音だとか。

 

私の聴覚を通してこの実験結果を考えてみるに、高周波ノイズはデジタル回路の大敵となり得ると感じてます。
このコモンモードチョークコイルで、どれほどのノイズが除去できているのか、それは分かりません。
また、懐疑的な声の多いラズパイのオンボード電源の質を考えると、これでもまだ限定的な効果なのだろう思います。

 

負荷過渡応答性能に優れ、かつ、低ノイズな電源を考えていくと、もっともっと色んな可能性が考えられるだろうと思います。
しかし、取り敢えず私は、今はこの状態に満足しておきたいと思います。
これ以上の深追いは、自分を電源沼に追い込むだけになりますから(笑)

 

なお、この実験で施したDC-Arrowの改造を、私は人に勧めるものでは全くありません。
また、開発者であるたかじんさんには全く関係ない、私一個人の意志による試みです。
この件について、たかじんさんに問い合わせなどは決してなさらないでください。

 

また、この記事を元にDC-Arrowに改造を加え、その結果として事故などを誘発しても、ジャイアンは全く関知いたしません。
質問は受け付けますが、その結果については責任をもちません。

 

最後になりましたが、私のねちっこい質問攻めに根気強く付き合って下さったPassさんに、心より感謝申し上げます。

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コメント

個人的に非常に興味深い内容です。
私はジャイアンさんと目的も内容も違いますが、DC-Arrowのトランス1次側へコモンモードコイルで作成した、フィルターもどきを入れ使用していました。でもトランスの供給電流に余裕が無かったため、DAC専用電源にしていますが出音の違いは明らかでした。
自分経験からでも、相当違いが有るだろうと想像してます。
ところで、今は秋月では扱っていないのですが、日立ファインメットコア使用のコモンモードチョークコイル「FM03D382MPF」などは使用して見ませんか。家にスペックが分かるものが無く、15mH、3A程度だと思います。(会社には残っているかも)
興味ありましたらデス。

> ta_syumiさん


お久しぶりです!
コメントをありがとうございます。
Ta_syumiさんは確か6枚ぐらいDC-Arrowを作ってらっしゃいましたよね。
その中にコモンモードチョークコイルを一次側に使っていたものがあったとは!
使い方としてもっともまともですし、また同時に、トランスとコンデンサの組み合わせでは高周波ノイズには無力だということの証左にもなるなぁ、などと思ってます。


お申し出は嬉しいのですが、今はチョット落ち着きたいです。
人にやってもらったシミュレーションでも、現状で十分にノイズを除去できているはずですし。


お申し出、ありがとうございました。

ジャイアンさん
smpdの掲示板ではいろいろとありがとうございました。
mgroovyです。

実を言いますと、老眼に鞭を打ち、ちょっと作ってみようかな~なんて思っておりますw
それでまずは部品集めからと思い立ち、ちょっと質問です。

3.3V給電用のDC Arrowに使うツェナーダイオードですが、
5.1Vとありますが、秋月で調べてみたら500mWと5Wのがありました。
秋月の写真を見ると部品の長さが3mmと9mm程度なのですが、どちらを使われていますか?

あと投入する電源ですが、5V給電用と同じくDC9V 1.2~1.5Aのスイッチング電源からでよろしいでしょうか?
3.3V給電だから少し小さめの電源の方が良いのかな?と思ったもので。

よろしくお願い致します。

mgroovyさん


こちらにもコメントをありがとうございます。
老眼は大変ですよねぇ!私も年齢なりに近くが見えなくなり、手元を明るく照らさないと、昼間でもはんだ付けには苦労します。なので、ハズキルーペとテーブルライトは作業に絶対欠かせません(笑)


>3.3V給電用のDC Arrowに使うツェナーダイオードですが、
>5.1Vとありますが、秋月で調べてみたら500mWと5Wのがありました。
>秋月の写真を見ると部品の長さが3mmと9mm程度なのですが、どちらを使われていますか?

私は下記のツェナーダイオードを使いました。
https://eleshop.jp/shop/g/gC39364/


>あと投入する電源ですが、5V給電用と同じくDC9V 1.2~1.5Aのスイッチング電源からでよろしいでしょうか?
>3.3V給電だから少し小さめの電源の方が良いのかな?と思ったもので。


DC9VのACアダプターで大丈夫です。
ここからは蛇足情報になりますが、実は我が家では5VのDC-Arrowには8.5VのACアダプターも多用しています。近所のハードオフにそれしかなかったというセコい理由からですが、ツェナーダイオードで生成するリファレンス電圧より大きければ問題ないようです。そして3.3VのDC-Arrowには5VのACアダプターをあてがってます。5VのACアダプターは実質5.2Vぐらいの出力がありますから、これでまかなえちゃうんですよね。

さっそくのリプライありがとうございます!
ここ数十年、自作から遠ざかっておりましたので、とても勉強になります。

部品もどこかのお店一カ所に絞って購入した方が送料など抑えられて、お安くすみそうですね。
またハードオフ情報もありがとうございます。出力端子側はどうせ切っちゃうので、中古品で十分ですよね。
うちの近所にもあるので、台風が去ったら直行してみます!

テーブルライト情報も目からうろこでした。今老眼鏡をかけて作業してますが、確かに暗い!
これも探してみます。

ほんとに何から何まで役に立つ情報をありがとうございました!

P.S. 自作初心者の方向けに、揃えた方が良いツールとか、老眼対策とかw、特集してもらえませんか?


>mgroovyさん


重ねてのコメント、ありがとうございます。


>テーブルライト情報も目からうろこでした。今老眼鏡をかけて作業してますが、確かに暗い!


私は一年ぐらい前から手元を明るくしないとはんだ付けが厳しい状態になってしまいました。
人よりは老眼の進行は遅い方だと思っていたのですが(現在58才)やはり老いには逆らえないですね。


>P.S. 自作初心者の方向けに、揃えた方が良いツールとか、老眼対策とかw、特集してもらえませんか?


老眼対策特集は面白いかもしれませんね!
ブログにまとめるのも一案ですが、フォーラムで皆さんの対策を紹介してもらうのも面白そうです。

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