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2019年7月27日 (土)

フィルター(前編)

この記事は、「負荷過渡応答性能」の続きです。

 

DC-Arrowの入力をACアダプターに変更して、好結果を得られた前回ですが、なぜ好結果を得られたのでしょうか?

 

いやもうジャイアンは、ここ数日、憑かれたように「コイル」だ「ノイズ」だ「スイッチング電源」だと調べまくって、何とか理解したいと努力したのですよ。
とてもありがたいことに、私の理解を助けるために助言を与えて下さる方まで現れて、毎日のように「これはどういう意味?」とか「これはこういうことか?」と質問攻め。
辛抱強く付き合って下さって、感謝でジャイアンはお涙がチョチョぎれているのでございます💧
(年を喰って涙腺がユルイユルイ)
おかげで、私なりに理解が進みました。
ですので、本題の本題に入る前に、ジャイアンは何を問題視していて、何をしようとしているのかを、この「前編」で明らかにしておきたいのです。

 

 

 

たかじんさんのDC-Arrowを例に、AC(交流)からDC(直流)が生成される過程を確認してみます。

 

01-dcarrow-circuit-rectified-ripple_00

 

まず、各家庭の壁コンに来ているのは50Hzないし60HzのACで、DC-Arrowではトランスで適切な電圧まで降下させています。
しかし、DC-Arrowに入力されるのは、下の図①のようにあくまでも交流です。

 

02-dcarrow-circuit-rectified-ripple_01

 

次に4つのショットバリアキーダイオードを使ったブリッジ(図②)によって、全波整流を行っています。

 

03-dcarrow-circuit-rectified-ripple_02

 

この段階で、元の周波数の倍の100Hz(60Hzの地域は120Hz)になっています。

 

次に、図では並列につなげられた2個の4700µFの電解コンデンサで、電流を平滑化します(図③)。

 

04-dcarrow-circuit-rectified-ripple_03

 

このようにして直流を生成するわけですが、実は完全に真っ平らな直流になるわけではありません。
平滑化されてもなお、若干のリップル(脈動)を伴った直流となります。

 

05-ripple_01

 

 

このリップルが何を意味しているかというと、コンデンサが100Hzないし120Hzのサイクルで充電と放電を繰り返しているという事実です。
ここまでは多少なりとも電気をかじった事のある人ならば理解できることだと思います。
ちとややこしくなる問題はこの先なんですね。

 

このリップルを、もっと拡大して観察してみましょう。

 

06-ripple_02

 

リップルが起ち上がっている様子を分かりやすい模式図にしてみましたが、この段階はコンデンサが充電中です。
言葉を変えれば、トランスからの電圧が高いわけです。
この時はコンデンサは余剰エネルギーを持っていると考えられますから、回路の負荷変動に対応しやすい状態と言えるでしょう。

 

逆に...

 

07-ripple_03

 

コンデンサから放電中の時(トランスからの電圧が低い時)は、デジタル回路の高速な負荷変動に追従できなくなる可能性にある状態と言えるのです。

 

こうしたトランスと整流回路、そして平滑化回路は、多くの直流安定化電源回路で用いられています。
この後段が、DC-Arrowのようなツェナーダイオードを用いた安定化回路であれ、よくありがちな三端子レギュレータを用いた回路であれ、オーディオ用途を唄う製品の前段のほとんどは、上に述べたような回路構成になっています。
そのリップル周波数は100Hzもしくは120Hzであり、上述した理由で、kHzオーダーで駆動されているデジタル回路の負荷変動には追従しきれない可能性があるのではないか?
これが私の第一の疑問であり、DC-Arrowの入力にACアダプターを使ってみた第一の理由でもあります。

 

そして、なにかと「高周波ノイズが...」とオーディオの世界では敬遠されがちなスイッチング電源ですが、ことデジタル回路用途であれば有利な点もあるのです。

 

スイッチング電源は負荷の変動に対して、高速なフィードバック制御を行う事で、電圧を一定に保とうと動作します。
この点、トランス電源は負荷が増えると2次電圧が低下してしまいます。
こうした点を考慮すると、ことデジタル回路用電源を考えた時、スイッチング電源の方が負荷変動への追従性が高いと言えるのではないか。
これが第二の疑問であり、また敢えてDC-Arrowへの入力にACアダプターを使ってみた理由でもありました。

 

しかし同時に、懸念もあります。
それは言わずもがなの高周波ノイズです。

 

多くのスイッチング電源が、20kHz〜120kHzで駆動します。
つまり20kHz以上の周波数を持つリップルも発生させているわけです。
それはすなわちノイズです。
リップルは、元の周波数の整数倍で発生するので、kHzオーダーで駆動するデジタル回路にとっては大きな問題になる可能性があります。

 

また現在、私たちは多くの高周波ノイズに囲まれた生活をしています。

 

例えば、部屋の照明を付けた瞬間、オーディオの音にノイズが乗るという現象に出くわしたことはないでしょうか?
おそらくその照明器具には、インバーターが使われています。
今や、インバーターを備えた電化製品は山のようにあります。
私の身の回りを見渡しただけでも、冷蔵庫、電子レンジ、電気炊飯器、照明器具などなど。
これらは全て、高周波ノイズの発生源になり得ます。

加えて、2.4GHzないし5GHzの電波を撒き散らしている無線LANの存在も脅威です。

 

ただ単にACアダプターのスイッチング電源だけではなく、こうした発生源から放たれた高周波ノイズが、ACケーブルをつたって電源へとやって来ます。
実はこうした高周波ノイズに対して、トライダルトランスに大容量コンデンサという組み合わせは、全くと言っていいほど無力なのです。
電解コンデンサはなぜ?直流平滑に利用されるの?などが参考になるかも)

 

以上、ジャイアンの文系脳というフィルターを通して、デジタル回路用電源のアレコレを解説してみました。
どうでしょう?
分かりやすかったでしょうか?

 

さて、それでは具体的にどうすれば、そうしたノイズ風情から電源を守るのか?
それは後編にて明らかになるのであります!

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