Symphonic-MPDユーザーのためのLinux中級者講座(dt-blob.bin改変編)
この記事は、私の防備録であり、Symphonic-MPDユーザーのためのLinux初心者講座(dt-blob.bin置換え編)の補足でもあります。
Linux初心者のジャイアンのやらかすことなので、間違いもあろうかと思います。
見つけられた方は、どうかTwitterやコメント欄からご指摘いただけましたら幸いです!
では、まいります!
先日、symphonic-mpdの掲示板において、開発者さんから
「dt-blob.binをソース(dtsiファイル)の形でご提供しているのは、クロック変更時に環境に合わせてdt-blob.binをご自身で作っていただくことを想定しているからです」
と投稿がありました。
(私はこのエントリーを書きながら、この意味が十分ユーザーに理解されていないように感じられました。なぜなら、私がまさにそうだったからです)
また同時に...
「ラズパイのオシレータにぶらさがっている5個のPLLのうち、PLLBとPLLCについてはarm_freqやcore_freqの値を元に算出して設定を固定することでノイズ感の減少を感じます。ただし、音の「質」を変えるほどの影響はありませんので、お好みでよいのではないかと思います」
と、dt-blob.bin内の一部設定の効果は限定的であることと...
「配布サイトからダウンロードしていただくソースではPLLCとPLLDに値をセットしていますが、電圧低下や温度超過の恐れがないのであれば、PLLBも同じ値に設定いただくと良いかと思います」
と、更なる設定の余地があることを説明してくださっています。
(このように、ユーザー側に設定を余地を持たせるためのdt-blob.binなのですね)
なおbt-blob.binとその働きについては、ソースのダウンロードリンクを記したページで、開発者さんから分かりやすい解説があります。
またコチラに公式版を翻訳した解説があります。
下のリンク先には図解も入っていて、より分かりやすいのではないでしょうか。
Raspberry Piのクロックマネージャ – ハードウェアPWMドライバをMicroPythonで書く(前編)
となるならば、それをつついてみたいと思うのが「性(サガ)」と言うモノでしょう!
というわけで、私流に、その手順や内容を、ツラツラと綴ってみたいと思います。
なお今回は、iOS版Termiusのキャプチャ画像を使用しております。
(無償版でも一通りのことはできるので、メッチャ便利!)
それでは先ず、PLLB設定の追加を行ってみましょう。
まず、このコマンドを実行して...
nano dt-blob.dts.v08x.master
dt-blob.dts.v08x.masterを開きます。
(もちろん既に当該リンクからファイルがDLされているのが前提です)
ここから先、iOSをベースに解説していきます。
それぞれの環境に合わせて解釈してください。
では、PLLCの行を選択し...
(他の行でもいいし、一から打ち込んでもいい。要は自分がやり易いようにやってくれ!))
コピーをタップして、マルッとコピー。
カーソルを移動させて、PLLAとPLLCの間で改行。
カーソル位置でタップして、ペーストをタップ。
ペースト後...
頭にタブを入れて、成形。
上のPLLCのCを消去して、Bを入力。
この状態で保存しなくちゃいけないので...
ctrlキーとOキーを押して...
この表示が出ている状態で...
returnを押す。
後は、前回解説した方法で、ビルドして、リネームして、bootディレクトリにコピー。
作業は以上です!
やたら画像を入れていますが、作業自体は難しくありません。
では次に...
「dt-blob.binをソース(dtsiファイル)の形でご提供しているのは、クロック変更時に環境に合わせてdt-blob.binをご自身で作っていただくことを想定しているからです」
の意味を、実例を挙げて紹介していきたいと思います。
これは、とある方の設定をマルッとパクって...
sudo nano /boot/config.txt
で編集したconfig.txtファイルです。
具体的には、Raspberry Pi 3の定格1.2Ghzから1.203GHzへと、僅かではありますがCPUのオーバークロックを行い、駆動周波数を固定させています。
symphonic-mpdでは、各ユーザーの環境や設定が違うことが想定されています。
またその設定を、ユーザー自身がSSHログインして行うことと、その為に必要なスキルが求められています。
その最も分かりやすい例が、config.txtにI2Sカード用ドライバを設定することです。
マスターモード用dt-blob.binも同様に、各ユーザーが自分の環境・設定に合わせて内容を編集できるように「dtsiファイルを別途配布」という形で提供されている訳なんですね。
❇︎とは言え、dot-blob.binの置き換えは必須ではありません。デフォのスレーブ用であってもマスターモードも動きます
❇︎逆はダメです。マスターモード用dt-blob.binをスレーブモードで使うと、再生品質が大幅に低下します。
で、この例として挙げたCPU設定の場合、2パターンの理想的と考えられるdt-blob.binが想定されます。
その一つが...
core_freq=401の三倍にあたる1203GHzの設定と...
core_freq=401の二倍にあたる802GHz設定です。
テキストエディタnanoでは、保存コマンドctrlキー + oキーの際に、任意のファイル名を入力して別名保存することができるので...
こうやって両方の設定を用意しておいて、dt-blob.binを任意に置き換えて音を聴き比べてみるという方法もとれますね。
ただしこの場合、ビルドコマンドの当該部分を、別名保存したファイル名に置き換える必要がありますけど...
以上が一通りの解説ですが、こうした試行錯誤をユーザーができるのも、symphonic-mpdの醍醐味だと思います。
ちなみに、スレーブ用のdt-blob.binの設定はどうなっているかというと...
と、スレーブの内容の方が、dt-blob.binの目的と設定内容がより分かりやすいと思います。
そもそもがこのファイル、スレーブモードでの出力の際に、ジッターを回避して品質を向上させるために置かれたもの。
その後に、違う環境にも対応させたいという要望や、dot-blob.binが要因となってRPi2が起動しなくなった等の経緯を経て、そうした要望に応える形でDL公開されるようになったという経緯があります。
ジャイアンの頭では良くは分からないのですが、「ふ〜む、なるほどな」と頷かされる記述内容のように思います。
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